映画に感謝を捧ぐ! 「男の魂(1955年版)」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 

 今回はジョン・ファロー監督の「男の魂(1955年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

アンドリュー・ギイア大佐の小説をもとにして作られた本作は

 アメリカ製戦争映画特有の「アメリカ礼賛精神」よりも

 

 娯楽的サービス精神と風刺性を重んじた異色の冒険映画であります。

 海洋冒険活劇・戦争映画・青春映画・社会派劇の手法を融合させた

 演出・音楽・ストーリーによって

 主演男優J・ウェインの「ヒーロー的存在感」

 大作的豪華さに溢れたヒロイン・少年漫画的ライバルキャラが

 「政治・外交に対するブラック・ユーモア」を引き立てる素材と化していく現象は

 私に「アメリカ礼賛型スター映画」になりすまして

 国際社会に対する皮肉を放とうという

 挑戦者精神に触れる機会をもたらしました。

 

 (悲劇でありながらも「ハッピー・エンド」の気配を残す幕切れが

 アメリカ映画精神の一端を示している点も見逃せません。)

 まさに「娯楽的楽しさと政治風刺がせめぎ合う」作品であると言えるでしょう。

 第2次大戦初期のヨーロッパ事情と男気が

 奇妙なせめぎ合いを展開する本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。