映画に感謝を捧ぐ! 「ローリング・サンダー」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョン・フリン監督の「ローリング・サンダー」に
感謝を捧げようと思います。
妻子を殺され、片腕を失ったベトナム帰還兵の
運命を描いた本作は
ある種の「純愛&癒し要素」を感じさせるアクション映画であります。
平和な世界に順応出来ず、死体のような日々を送っていた二人の元兵士が
残酷な犯罪と報復によって「いるべき世界」へと帰還し
「生命&活力」を取り戻していく姿を
娯楽的盛り上げを抑制した冷徹な演出によって描くという試みは
私に「復讐の戦い」を楽しむ人間たちの勇姿と
「暴力への純愛」が人を癒すという皮肉な状況を
目の当たりにさせられる機会をもたらしました。
(W・ディヴァイン&T・L・ジョーンズの「冷たい熱演」と
悲劇的且つ爽やかな決着→穏やかでありながらも不気味のエンディング・ソングが
本作の持つ「毒気」をより鮮明な物にしている点も見逃せません。)
まさに「癒し系復讐劇」と呼びたくなる
反痛快系アクション映画であると言えるでしょう。
「自己の世界に閉じこもる作家」P・シュレイダーと仲間たちの手によって
極道映画・戦争映画・不人情劇の空気を
兼ね備えた怪作となった本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。