映画に感謝を捧ぐ! 「リトルマン・テイト」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 

 今回はジョディ・フォスター監督・主演の「リトルマン・テイト」に

 感謝を捧げようと思います。

 天才少年フレッド・テイトと母親ディディの運命を描いた本作は

 堅実さの中に皮肉を宿す母子劇であります。

 子供映画の王道に即したストーリー&キャラクターに

 感動誘発を最小限まで抑制した演出&音楽

 青を基調としたアニメーション映像

 J・フォスター監督自身の「子役人生」を融合させることによって

 王道の枠を超えた味わいを放つ作品へと進化していく光景は

 私に「シリアスとユーモア・穏やかさとドラマティックさ」の

 バランスに長けた映画と

 典型的な物語に「作り手自身の人生」が合わせる事によって生じる

 化学反応の醍醐味を目の当たりにする機会をもたらしました。

 

 (脳天気なハッピー・エンドでありながら「アメリカン・ドリーム」に対する

 皮肉を感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「天才児映画」界屈指の優等生作品と呼びたくなる

 作品あると言えるでしょう。

 

 ショー・ビジネスに対する複雑な思い・愛に対する信頼

 生来の才に人生を歪められる悲劇・世代間の断絶が

 繋がることによって

 ホームドラマの枠を超え、精神的冒険映画の領域に達した本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。