映画に感謝を捧ぐ! 「ザ・ベイ」

 映画感謝人GHM(西村哲也)です。

 今回はバリー・レビンソン監督の「ザ・ベイ」に

 感謝を捧げようと思います。

海沿いの町「クラリッジ」で発生した惨劇を描いた本作は

娯楽映画としての面白さを徹底的にそぎ落とす

 大胆さに驚かされる擬似実録映画であります。

  

 ウィルス・パニックとモンスター・ホラーを合体させた「物語」を

 ドキュメンタリー番組風に表現しようという映画的実験は

 私に「定番的ストーリーに真実味を与える」技法の一形態と

 娯楽作品で描かれる「災害」と現実社会における災害の格差を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (災害に「ハリウッド的ハッピー・エンド」などありえないという事を

 静かに示した幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「生真面目系ホラー映画」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 メリーランド州ボルティモアで生まれ育ったB・レビンソン監督の

 「故郷」に対するこだわり

 擬似実録映画&パニック映画の王道

 環境破壊に対する警鐘が一体となることによって生を受けた本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。