映画に感謝を捧ぐ! 「都会の牙 - D.O.A. -」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はルドルフ・マテ監督の「都会の牙- D.O.A. -」 に

 感謝を捧げようと思います。

 

 何者かに毒を盛られた男「フランク・ビグロー」の

 孤独な闘いを描いた本作は

 死と生の関係を写し出した「巻き込まれサスペンス」であります。

 「平凡なビジネスマン」といった佇まいの主人公が

 毒物によって「タフガイ」へと成長し

 見えざる悪に挑んでいく姿を

 娯楽的誇張を抑制したアクション・シーンと

 王道的サスペンス描写を駆使して描くという試みは

 私に「死に瀕した人間の放つエネルギー」の凄まじさと

 優等生的ヒーローとは異なる「正義漢」の形を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (勧善懲悪的でありながらも空しさを感じさせる幕切れが

 正義の持つ裏の顔を体現している点も見逃せません。) 

 まさに「復讐系難病映画」の一形態を示した作品であると言えるでしょう。

 希望なき戦いに身を捧げる主人公の姿と

 現代社会に潜む「リスク」の理不尽さが

 モンスター映画や極道映画とは一味違うスリルと残酷さを醸し出す本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。