映画に感謝を捧ぐ! 「マイ・フレンド・フォーエバー」

  映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はピーター・ホートン監督の「マイ・フレンド・フォーエバー」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 輸血によってHIVエイズ)となった少年デクスターと

 隣家の少年エリックの運命を描いた本作は

 1969年の映画「真夜中のカーボーイ」の世界と

 

 1990年代の世界が出会うことによって生を受けた

 難病映画であります。

 

 社会性・青春映画要素・冒険映画的アクション・シーンが

 絶妙のバランスで配合された演出&ストーリーと

 主人公2人を安易に美化せず

 子供ならではの「無鉄砲さ&愚かしさ」を持った存在として描ききった

 キャラクター造形が一体となる光景は

 私に、他の難病映画とは一味違う「ポジティブな感動」と

 娯楽的スリルと社会派的メッセージの平和的共存の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしてくれました。

 (悲劇的でありながらも「明るさ」を失わない幕切れが

 脳天気なハッピー・エンドとは異なる形の「希望」を

 見せてくれた点も見逃せません。)

 まさに「ジャンル融合型難病映画」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。

 「不幸の強調」による感動の押しつけを抑制する自制心と

 台詞による説明に依存せず、鑑賞者に「考える要素」を与える文学性

 ユーモア&エンターテインメント精神を失うことなく

 過激な題材に向き合うバランス感覚&勇気に心打たれる本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。