映画に感謝を捧ぐ! 「真昼の用心棒」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はルチオ・フルチ監督の「真昼の用心棒」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 街を支配する巨悪に立ち向かう

 兄弟の運命を描いた本作は

 西部劇の伝統とL・フルチ監督の「内なる宇宙」がせめぎ合う

 異色のイタリア西部劇であります。

 「仇討ち系西部劇」の王道を行く物語が

 残酷趣味と暴力性に溢れた映像表現と

 異様なまでに複雑怪奇な人間関係によって

 悪趣味感あふれる世界へと変化していく光景は

 私に、暴れ馬の如き「趣味人精神」の猛威と

 

 西部劇と暴力の「見えない絆」の深さを

 思い知らされる機会をもたらしました。

 (「便乗商法精神」を前面に打ち出した邦題と

 アクション風味とホラー風味が混ざり合った決着の付け方が

 作品の大衆食堂性をより鮮明化している点も見逃せません。)

 まさに「娯楽西部劇風味の暴力論」と呼びたくなる怪作であると言えるでしょう。

 映画全体を覆うサディズム&見世物精神と

 主人公兄弟の「フェアともアンフェアとも解釈可能な闘いぶり」が

 「暴力に善悪の隔て無し」を体現する本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。