映画に感謝を捧ぐ! 「カージャック」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はジョン・ポニート監督の「カージャック」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 母子と強盗犯の危険なドライブを描いた本作は

 小規模作品ならではの謙虚さ&豪快さに溢れた

 「巻き込まれサスペンス」であります。

 物語の大半を「移動&会話」で占めるという過酷な状況を

 スピード感溢れる映像&ストーリー展開と

 最小限度の情報のみで形成されたキャラクター造形で補うという手法は

 私に「映画的ダイエット」の醍醐味と

 主人公&敵役の放つ「小市民的愚かしさ」がもたらす現実感&スリルを

 満喫する機会をもたらしました。

 (逆ギレ感漂う「決着の付け方」と「万事解決のハッピー・エンド」でありながらも

 悪の香りを匂わせる幕切れが

 作品に「ブラック・ユーモア風味」を与えている点も見逃せません。)

 まさに「移動系空間限定サスペンス」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。

 情緒&ロマンスに溺れない冷静さと

 スケール感を抑制する節度によって

 「娯楽映画的ご都合主義」を覆い隠しながら突き進む姿が心地良い本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。