映画に感謝を捧ぐ! 「レス・ザン・ゼロ」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はマレク・カニエフスカ監督の「レス・ザン・ゼロ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ブレット・イーストン・エリスの同名小説を

 もとにして作られた本作は

 1970年代と80年代が交錯する青春映画であります。

 80年代的明るさ&軽快さに溢れた映像&音楽と

 70年代的背徳感&陰鬱さに支配されたストーリー&キャラクターが

 微妙なバランスで共存する光景は

 私に「外見の華やかさによって内面の空虚さ&危うさが鮮明化する」現象と

 残酷な状況を脳天気風に表現する技法に触れる機会をもたらしました。

 (R・ダウニー・ジュニアの「自身の未来を予言するかのような熱演」と

ハッピー・エンドと悲劇が意地悪なバランスで共存する幕切れが

 人生の奥深さと無情さを体現している点も見逃せません。)

 まさに「陰陽交わりしドラッグ・ムービー」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 ドラッグと愛憎が渦巻く男女が織りなす「転落と再生の道」を

 娯楽的映像技&スピード感を失うことなく描くことに挑んだ本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。