映画に感謝を捧ぐ! 「スパイ・ライク・アス」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はジョン・ランディス監督の「スパイ・ライク・アス」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 

極秘作戦の「囮」にされた即席スパイコンビの

 運命を描いた本作は

 豪華絢爛たる悪ノリと社会風刺が

 奇妙なバランスで共存するスパイ喜劇であります。

 スパイ映画の定番要素をドタバタ喜劇的に加工したストーリーを

 C・チェイス&D・エイクロイドの「アメリカ流漫才」

スパイ映画の記号に即したヒロイン

 E・バーンスタインによる場違いなまでに勇壮な音楽

 バラエティ番組な「特別ゲスト」

 大作風アクション&スペクタクル・シーンを駆使して

 映画化するという試みは

 私に、スパイ映画の持つ「喜劇要素」によって

 アメリカ特有の「上から目線&武闘派系外交」・「軍事ビジネスの舞台裏」を

 脳天気にからかう妙技を堪能する機会をもたらしました。

 (脳天気なハッピー・エンドの衣を纏いながら

 国際社会に痛烈な皮肉を放つ幕切れが

 作品の「格」を高めている点も見逃せません。)

 まさに「風刺系スパイ映画」の歴史の陰に潜む

 珍品であると言えるでしょう。

 映画全体を覆う「馬鹿馬鹿しい気配」が

 軍備増強・覇権主義・強権外交の愚かしさを写し出す本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。