映画に感謝を捧ぐ! 「クリスマス・キャロル(1938年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエドウィン・L・マリン監督の「クリスマス・キャロル(1938年版)」に
感謝を捧げようと思います。
チャールズ・ディケンスの同名小説をもとにして
1938年に作られた本作は
「アメリカ製クリスマス映画」の方程式を形成した作品であります。
キリスト教精神に則ったメッセージを
ホラー&SF的特殊効果・ユーモア・人情・ハッピーエンド精神で包むことによって
説教臭を緩和し、娯楽精神溢れる作品へと変化させるという手法は
私に「クリスマス映画」の醍醐味を満喫しつつ
「感動」が洗脳の一形態であることを感じさせる機会をもたらしました。
(「ハッピー・エンド」の後日談に背を向けて、速やかに幕を閉じることによって
娯楽的高揚感を保ち続ける配慮が成されている点も見逃せません。)
まさに「クリスマス映画の源流」と呼ぶにふさわしい歴史的作品であると言えるでしょう。
クリスマス映画的サービス精神と無駄を廃したスリムな作劇法によって
後年のクリスマス映画に対する道しるべとなると同時に
宗教系教訓劇の効能&危うさを示した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。