映画に感謝を捧ぐ! 「ヴィクセン」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はラス・メイヤー監督の「ヴィクセン」に

 感謝を捧げようと思います。

 自由奔放すぎる主婦「ヴィクセン」と

 彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 知的なブラック・ユーモアと野性的な性欲に彩られた官能映画であります。

 美しくも豊満な肉体・人種差別・無尽蔵の性欲を兼ね備えた

 モンスター的ヒロイン

 軽やかにモラルを蹂躙していくストーリー

 

 性的欲求に忠実でありながらも技巧的な演出が一体となる光景は

 私に「魅力的な外見によって醜悪な内面が覆い隠される」恐怖と

 「低俗な人間たちが無意識のうちに高尚なメッセージを放つ」怪現象を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「背徳の勝利」を匂わせる幕切れが

 ホラー映画の気配を放っている点も見逃せません。)

 まさに「社会派とポルノの間に立つ」怪作であると言えるでしょう。

 R・メイヤー監督の「巨乳趣味」と

 

 1960年代後半の国際社会を意地悪く挑発する物語が融合することによって

 他の官能映画とは異なる意地悪な味わいを生み出した本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。