映画に感謝を捧ぐ! 「ミスティック・ピザ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はドナルド・ペトリ監督の「ミスティック・ピザ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 港町のピザ屋「ミスティック・ピザ」で働く

 

 女性3人の運命を描いた本作は

 驚異の圧縮力とバランス感覚を誇る恋愛映画であります。

 恋愛劇3本分の内容を一本の映画内に収め

 感動誘発&エロティシズムを抑制しながら進行させるという手法は

 私に「心身をリラックスさせてくれる時間」と

 「娯楽的盛り上げ」に依存しない事による説得力の生成を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (典型的な「アメリカ映画流ハッピー・エンド」でありながら

 和やかな雰囲気に包まれた幕切れが

 「幸福」の有り様を問い掛けるかのような感覚を

 もたらしている点も見逃せません。)

 まさに「穏健派恋愛劇」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。

 小さな町ならではの「閉鎖的人間関係」や

 恋愛映画特有の「憎まれ役&愛憎劇」に背を向けて

 人情・ユーモア・人間的成長を重視した作風に心癒される本作と

 

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。