映画に感謝を捧ぐ! 「ディープ・フリーズ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョン・カール・ビュークラー監督の「ディープ・フリーズ」に
感謝を捧げようと思います。
南極の石油基地で巻き起こる惨劇を描いた本作は
奇妙な「映画的化学反応」を示すモンスター映画であります。
企業の隠蔽体質&利益至上主義がもたらした悲劇を
SF&ホラー的に表現したストーリーと
経費&時間節減を図るかのような勢いで
「モンスター」の見せ場に回想場面を挿入する
映像表現法が一体となる光景は
私に「物語と映像表現が最高の相性で結ばれる」状況の一形態と
「王道的状況を個性的に表現する」ことの難しさを示してくれました。
(様々な問題を無視した「脳天気なハッピー・エンド」から
「続編狙い風後日談」へと向かう流れが
ある種のブラック・ユーモアとなっている点も見逃せません。)
まさに「効率主義&隠蔽主義」の暗部を体現した
SF映画界の珍作であると言えるでしょう。
スピード感溢れる映像で残酷描写を抑制すると同時に
論理性&整合性を無視するための「勢い」を得ようという
大胆不敵な賭けに挑んだ本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。