映画に感謝を捧ぐ! 「おかしなレディ・キラー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はマイク・ニコルズ監督の「おかしなレディ・キラー」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 法を欺くための「結婚」がもたらす珍騒動を描いた本作は

 王道と反王道がせめぎ合うドタバタ喜劇であります。

 上品な音楽&装飾・俗物的でありながらもユーモラスなストーリー

 主演男優J・ニコルソン&W・ベイティの放つ「胡散臭さ」が

 奇妙なバランスで混ざり合う光景は

 私に「ハリウッド喜劇の伝統VS1970年代的反抗精神」の一形態と

 庶民的犯罪計画の醍醐味を同時体験する機会をもたらしました。

 (ハッピー・エンドの形態を取りながらも嫌な後味を放つ幕切れが

 アメリカ映画特有の「ハッピー・エンド願望」に対する

 皮肉となっている点も見逃せません。)

 まさに「世代衝突型喜劇」と呼びたくなる一品であると言えるでしょう。

 スター映画の味わいとブラック・ユーモアの苦味を兼ね備えた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。