映画に感謝を捧ぐ! 「荒野の処刑」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はルチオ・フルチ監督の「荒野の処刑」に
感謝を捧げようと思います。
牢獄で出会った男女4人の危険な旅を描いた本作は
人情と不人情が交錯するイタリア西部劇であります。
復讐西部劇の王道・サディズム・ヒューマニズムが混ざり合ったストーリー
ホラー風味に覆われたアクション・シーン
変化球的な魅力を持ったキャラクター
場違いなまでに詩情的な挿入曲が一体となる光景は
私に、典型的なストーリーを「映像表現&キャラクター造形」によって
濃厚な物語へと進化させる妙技と
「猟奇的残酷描写と娯楽的サービス精神の平和的共存」の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(勧善懲悪的でありながらも
後年の「セブン」などに通じる苦味を感じさせる
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「残酷趣味的にして情のある」西部劇であると言えるでしょう。
L・フルチ監督ならではの「悪食世界」と
人情劇&正統派西部劇の醍醐味がせめぎ合う本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。