映画に感謝を捧ぐ! 「戦う翼」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はフィリップ・リーコック監督の「戦う翼」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ジョン・ハーシーの小説「戦争を愛する者」を

 もとにして作られた本作は

 奇襲的な苦味に満ちた戦争映画であります。

 「アメリカ軍礼賛映画」の仮面を纏いながら

 敵に関する情報を極限まで抑制し

 「アメリカン・ヒーロー」を狂気の産物であるかのように

 進行していくストーリーは

 私に「組織」における英雄の功罪・闘いのスリルに秘められた麻薬性

 「相手を玉座に祭り上げながら批判の刃を放つ」という

 ブラック・ユーモアの妙を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (映画史上希に見るほどの「嫌な後味のハッピー・エンド」へと

 着地する大胆さを持った作品で点も見逃せません。)

 まさに「青春映画&TVゲーム風戦争映画」界の

 静かなる実験作であると言えるでしょう。

 後年の「トップガン」等に通じる道を切り開きつつ

 英雄礼賛精神を意地悪く皮肉った本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。