映画に感謝を捧ぐ! 「オスカー(1991年版)」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はジョン・ランディス監督の「オスカー(1991年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 父の遺言に従って堅気になろうとするマフィアの親分と

 彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 優雅さと親しみやすさが奇妙なバランスで共存する喜劇映画であります。

 アメリカ流極道映画の伝統に則した舞台・衣装・音楽

 庶民的ムード漂うキャラクター

 陰謀&愛憎渦巻く世界が「偶然の連鎖」によって

 ドタバタ喜劇化していくストーリーが一体となる光景は

 私に「対照的な要素」が融合することによる喜劇的化学反応の一形態と

 人間社会の暗部を「笑い所」に変えてしまう妙技の一端を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (アクション俳優S・スタローンの「イタリア風味」を生かそうという

 試みが成されている点と

 反道徳的でありながらも心温まる幕切れが

 「人間社会の奥深さ」を体現している点も見逃せません。)

 まさに「ドタバタ喜劇系極道映画」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。

 映像テクノロジーの発展という荒波にもまれながら

 新境地を目指すS・スタローンの奮闘ぶりと

 極道映画の伝統と1980年代的笑いを合体させようという

 実験精神に心打たれる本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。