映画に感謝を捧ぐ! 「ダーティファイター」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はジェームズ・ファーゴ監督の「ダーティファイター」に

 感謝を捧げようと思います。

 

オランウータンと共に暮らすトラック運転手「ファイロ・ペドー」と

 仲間たちの運命を描いた本作は

 C・イーストウッド主演作史上屈指の珍品でありながら

 「白い肌の異常な夜」以上の好評を博した

 不思議な一作であります。

 シリアスとコミカルの間を渡り歩くかのようなストーリー

 西部劇と青春映画を混ぜ合わせたかのようなキャラクター&アクション

 場違いなまでに繊細な挿入曲

 他作品とな異なる方向の「ダーティぶり」を示す

 主演男優C・イーストウッドの姿が一体となる光景は

 私に「娯楽作と休暇旅行が合体した物語」を鑑賞すると同時に

 悪役陣の「受難ぶり」に悲劇性を感じる機会をもたらしました。

 (苦い状況でありながら「ハッピー・エンド」であるかのように感じさせる

 不思議な幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「ジャンル放浪型アクション喜劇」と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 道中劇・アイドル映画・アウトローの味わいが

 複雑に絡み合う事によって生じる「緩やかな混沌」が

 他のC・イーストウッド関連作とは異なる香りを放つ本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。