映画に感謝を捧ぐ! 「バーティカル・ハンガー」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はレックス・ピアノ監督の「バーティカル・ハンガー」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 犯罪組織の陰謀に巻き込まれた

 女性クライマーの運命を描いた本作は

 驚異の和やか感を誇る山岳アクション映画であります。

 1990年代の山岳映画「クリフハンガー」・「バーティカル・リミット」を

 軽量化したかのようなストーリー&アクション

 恋愛映画風ヒロイン・愚かしさ&人手不足感溢れる悪役

 過剰なまでに穏やかな風景が一体となる光景は

 私に「山岳映画における雪山の効能」と

 勢いと映像的インパクトによって「アクション映画的ご都合主義」を

 緩和することの有り難みを

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 

 (現代以上に作品の本性を写し出した邦題と

 突如として「癒し系」と化す幕切れが

 天然ボケ風ブラック・ユーモアをもたらしている点も見逃せません。)

 まさに「パロディ系山岳アクション映画」の称号にふさわしい

 珍作であると言えるでしょう。

 悪役以上の殺傷ぶりを発揮するヒロインの勇姿と

 アクション映画でありながら「暴力」に依存しない作風が

 ドタバタ喜劇的な味わいを放つ本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。