映画に感謝を捧ぐ! 「グローイング・アップ」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はボアス・デヴィッドソン監督の「グローイング・アップ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

テルアビブの高校に通う青年「ベンジー」と仲間たちの運命を描いた

人気シリーズの1作目となる本作は

 アクション映画の制作者として名を成す前の

 Y・グローバス&M・ゴーランによる

 

 異色の青春映画であります。

 過激でありながらもユーモラスな性描写

 「挿入曲をBGM化する」と言う実験的試み

 状況説明を最小限度にとどめ

 「主人公の周辺事情」のみに徹する作劇法を駆使して描くという試みは

 私に「愛と性欲の複雑な関係」と

 「軽妙な映像&陽気な音楽」によってポルノ性を緩和する妙技を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (80年代的ハッピー・エンドと見せかけて

 「70年代的苦味」を感じさせる幕切れへと着地している点も見逃せません。)

 本作こそ「R・メイヤーとJ・ヒューズの中間に位置する」手法によって。

 

 人生&時代の過渡期をコミカルに写し出した作品であると言えるでしょう。

 娯楽的サービス精神と反優等生精神が奇妙なバランスで共存する本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。