映画に感謝を捧ぐ! 「西部悪人伝」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はフランク・クレイマー監督の「西部悪人伝」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 黒服&黒帽子のガンマン「サバタ」の活躍を描いた

 人気シリーズの1作目となる本作は

 イタリア西部劇でありながら

 日本の「チャンバラ映画&任侠映画」を思わせるような世界を描いた

 異色作であります。

 イタリア西部劇特有の「男臭&お色気」と

 劇画的魅力を兼ね備えたキャラクター・アイテム・音楽

 様式美と奇抜な着想に彩られたアクション・シーン

 西部劇の王道に即しながらもひねりの利いたストーリーが

 一体となる光景は

 私に「娯楽的アイデアに溢れたアクション・シーン」の醍醐味と

 「状況説明」を抑制することによってキャラクターに深みを与える妙技を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (サスペンス風味とブラック・ユーモア風味が

 バランス良く配合された「どんでん返し」の連打によって

 勧善懲悪とは一線を画した苦味の利いた幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「イタリア流コミック西部劇」の雄と呼ぶにふさわしい

 痛快作であると言えるでしょう。

 王道を押さえる堅実さと実験精神によって

 後年の「エル・マリアッチ」などに通じる道を切り開いた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。