映画に感謝を捧ぐ! 「トルネード・エクスプレス」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はイョルク・リュードルフ監督の「トルネード・エクスプレス」に

 

 感謝を捧げようと思います。

 

 核廃棄物を載せた輸送列車を乗っ取った

 武装集団に立ち向かう人々の運命を描いた本作は

 堅実でありながらも苦味の利いた

 テロ対策映画であります。

 「テロ対策映画」の定番に即したストーリーであるかのように見せかけて

 政府の隠蔽体質&独善性を痛烈に皮肉るという発想は

 私に「娯楽と風刺の平和的共存」の一形態と

 活劇的ヒーローを登場させないテロ対策映画作りの難しさを

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (勧善懲悪と見せかけて「悪が勝つ」幕切れが

 社会の暗部を体現している点も見逃せません。)

 

 まさに「風刺系テロ対策映画」の雄と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。

 1996年の映画「ザ・ロック」を模した演出&ストーリーを

 「娯楽的爽快感の抑制&社会派要素の強化」によって

 独特の個性を放つテロ対策映画へと生まれ変わらせた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。