映画に感謝を捧ぐ! 「キートンの決闘狂」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はエドワード・セジウィック監督の「キートンの決闘狂」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 B・キートン扮する配管工がもたらす珍騒動を描いた本作は

 時代の転換期に立たされた人々の「情熱&哀愁」を感じさせるドタバタ喜劇であります。

 サイレント流の笑いに徹するB・キートン&トーキー的笑いの共演者が

 上流階級の傲慢さに翻弄される庶民の悲哀と

 上流社会の欺瞞をマイペースに破壊する爽快感を体現する光景は

 私に「対照的な存在のぶつかり合い」が生み出す喜劇性の醍醐味と

 トーキーとサイレントの過渡期に立つ人々の思いを目の当たりにする機会をもたらしました。

 (アメリカ映画界の「ハッピー・エンド信仰」と「愛」の複雑怪奇さを

 象徴するかのような幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「異文化交流系恋愛喜劇」史上屈指の皮肉と葛藤を感じさせる

 作品であると言えるでしょう。

 「巴里在住のアメリカ人」という設定とB・キートンの特性が融合することによって

 ドタバタ恋愛喜劇の枠を超え

 「時代に翻弄されつつも我流を守る男」の心意気に描く哀歌となった本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。