映画に感謝を捧ぐ! 「シングルス(1992年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はキャメロン・クロウ監督の「シングルス(1992年版)」に
感謝を捧げようと思います。
シアトル在住の独身男女6人の運命を描いた本作は
台詞・映像・音楽が程よくブレンドされた恋愛映画であります。
会話&心の声を多用しつつ
映画特有の「映像&音楽で語る」手法を活用し
「説明台詞過多」によるストーリーの停滞&好奇心の減退を防ぐことを
可能にしたスタッフ陣の技術力&平衡感覚は
私に、「1990年代の文化」と恋愛映画の王道が平和的共存を果たす光景と
盛り上げ所&悲劇を声高に強調する作風からは得られない
和やかなユーモア&感動に触れる機会をもたらしました。
(主人公たちを「世界の一部分」として扱うクールな幕切れが
愛の神秘性と精神的スケール感を感じさせる点も見逃せません。)
まさに「短篇集式恋愛映画」史上屈指のバランス感覚を誇る
一品であると言えるでしょう。
複数の恋愛模様を抱えつつ
軽やかに進行していくストーリー&演出が
「ご都合主義臭」を緩和し、作品の現実感を高める姿に驚かされる本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。