映画に感謝を捧ぐ! 「チャップリンの朝帰り」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はチャールズ・チャップリン監督・主演の「チャップリンの朝帰り」に

 感謝を捧げようと思います。

 C・チャップリン扮する酔っぱらいの奇妙な朝を描いた本作は

 実験精神とタフネスに溢れたサイレント喜劇であります。

 「C・チャップリンが帰宅→家の中を動き回る」という

 極限まで抑制された状況のみで

 一本の喜劇に仕立て上げるという実験性

 舞台&小道具の特性を最大限に生かす知略

 C・チャップリン氏の喜劇的身体能力が一体となる光景は

 私に「限定された空間の中で精神的スケール感が高まっていく姿」の一形態と

 「アルコールの害をドタバタ喜劇化してしまう」喜劇人の宿命を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (ストーリー性を感じさせない作風でありながら

 「ハッピー・エンド」の魅力を感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「一人アトラクション・ムービー」と呼びたくなる

 強豪作であると言えるでしょう。

 壮絶にしてユーモラスな「一人芝居」によって

 後年のアクション映画&酔っぱらい映画に対する道しるべとなった本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。