映画に感謝を捧ぐ! 「グライド・イン・ブルー」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジェームズ・ウィリアム・ガルシオ監督の「グライド・イン・ブルー」に
感謝を捧げようと思います。
刑事に憧れる白バイ警官の運命を描いた本作は
反娯楽的な香りを放つ警官映画であります。
犯罪捜査映画&日常劇の仮面を纏いながら
「アメリカ&勧善懲悪劇の暗部」を淡々と描いたストーリー
素朴な迫力とブラック・ユーモアを兼ね備えた追跡シーン
小市民的哀愁漂うキャラクター・陽気でありながらも哀しげな挿入曲が
一体となる光景は
私に、娯楽作品が「欺瞞」によって成り立っているというきびしい真実と
「孤独」というモンスターの恐怖を目の当たりにする機会をもたらしました。
(無慈悲さと美しさが融合した幕切れが
作品の苦味を高めている点も見逃せません。)
まさに「不人情系刑事映画」界の閑かなる強豪作であると言えるでしょう。
1969年の映画「イージー・ライダー」の世界を
日常に留まり続ける人々の目線で描いたかのような物語が
1970年代のアメリカを覆う「憂鬱&恐れ」を写し出す本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。