映画に感謝を捧ぐ! 「ハイジャッキング」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はブランドン・ナット(ジェフリー・グリーン)監督の「ハイジャッキング」に

 感謝を捧げようと思います。

 謎の組織「トライブ」を追う捜査官の運命を描いた本作は

 痛烈なる皮肉に彩られたアクション映画であります。

 1996年の映画「エグゼクティブ・デシジョン」を模した内容でありながら

 主人公の能力&悪役の組織力を減らし、周辺人物の活躍を増やすことによって

 スリル&サスペンスが抑制される現象は

 私に「少人数&限定空間」で物語を盛り上げる」事の難しさと

 アクション映画における「敵役」の重要性を再認識する機会をもたらしました。

 (L・クートゥア&V・ジョーンズの濃厚な風貌を

 薄味なストーリーに対する調味料にしようと試みている点と

 ハッピー・エンドでありながら「万事解決」とはならない幕切れが

 現実の苦味&どんでん返し主義の危うさを体現している点も見逃せません。)

 まさに「軽量ハイジャック映画」史上屈指の緩やかさ&クールさを誇る

 珍作であると言えるでしょう。

 銃撃戦・肉弾戦・爆弾を動員しながら

 「アクション映画的盛り上げ」が発生しないという

 怪現象を見せてくれた本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。