映画に感謝を捧ぐ! 「ベスト・フレンド(2002年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はゾーイ・クラーク・ウィリアムズ監督の「ベスト・フレンド(2002年版)」に  感謝を捧げようと思います。    薬物の過剰摂取によって昏睡状態となった女子大生「アリシア」と  彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は  複数の娯楽要素がせめぎ合う、異色のサスペンス映画であります。  異文化交流がもたらす悲劇の一形態を  青春映画・ミステリー・ホラーの手法を混ぜ合わせながら描くという試みは  私に「階級格差」が生み出したモンスターの恐怖と  「殺人」を用いることなくサスペンスを生成する妙技を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (「真の勝利者」を皮肉な形で写し出す幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「ジャンル混合型女性映画」史上屈指の実験作であると言えるでしょう。  時間と共に変異していく「被害者と加害者の関係」が  他の青春映画とは一味違う「苦味&風刺性を放つ本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。