映画に感謝を捧ぐ! 「仁義なき戦い」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回は深作欣二監督の「仁義なき戦い」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 飯干晃一の同名実話系小説をもとにして作られた

 人気シリーズの1作目となる本作は

 凶暴にして知的な実話系極道映画であります。

 娯楽的アクション&サスペンスよりも「暴力&陰謀」の領域に立つことによって

 実録的な説得力を放つ映像

 極道映画の王道を歩みながら1940~50年代の日本を覆う「暗黒」を

 体現したストーリー&キャラクター

 軽妙でありながらも作品世界の空気に合う音楽

 主要人物から端役に至るまで個性溢れる怪演・名演を発揮する

 俳優・女優陣の勇姿が一体となる光景は 

 

 私に「人間は歴史の一部分に過ぎない」

 「暴力&策謀は元来、醜悪残忍な行為である。」

 「乱世において覇を握るのは強者ではなく(強者を操る者)である」という

 娯楽映画において隠蔽されがちな真実に

 直面されられる機会をもたらしました。

 (「(見てもらえる)ことによって人間の潜在力が引き出される」事を

 証明することによって

 東映大部屋俳優の歴史に「偉大なる一歩」を刻んだ作品である点や

 暴力的でありながらも空しさに満ちた幕切れが

 「戦う者」と「戦わせる者」の関係をえぐり出している点も見逃せません。)

 まさに「軽量極道映画の衣を纏った史劇」と呼びたくなる

 強豪作であると言えるでしょう。

 娯楽的偽善を抑制し「歴史の真実」に向き合う物語

 娯楽映画の伝統「スター主義」に抗い

 全登場人物にこだわる精神

 痛み&報いを感じさせる暴力描写

 鑑賞者の想像力を奪わぬよう配慮された説明台詞によって

 後年の極道映画に対する道しるべになると同時に

 乗り越えるべきハードルにもなった本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。

 追伸 本作のルーツとなった抗争で犠牲となった方々と

 お亡くなりになった多くのスタッフ・キャスト陣の

 ご冥福を祈ります。