映画に感謝を捧ぐ! 「メリー・ポピンズ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はロバート・スティーブンスン監督の「メリー・ポピンズ」に
感謝を捧げようと思います。
パメラ・L・トラヴァースの小説「メアリー・ポピンズ」シリーズを
もとにして作られた本作は
アメリカ流大作主義とディズニー流サービス精神が
手を組むことによって生を受けた
ミュージカル映画の雄であります。
「歌・踊り・ディズニー的メッセージ」のためだけに機能するストーリー
歴史大作的人海戦術・SF&ホラー風特殊効果
童話風キャラクター&アニメーションが一体となって
作品内に潜む「社会派的ブラック・ユーモア」を緩和し
「家族向けファンタジー・ミュージカル」の領域を突き進む光景は
私に「娯楽的に教えを説く」手法の一形態
「明瞭な目的を持った」映画の醍醐味
個人技と特殊効果の平和的共存の理想型を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(脳天気極まるハッピー・エンドでありながら哀愁を宿す
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「実写版おとぎ話」史上屈指の華やかさと怪しさを
感じさせる一作であると言えるでしょう。
浮世離れを徹底追求しつつ
「道徳の教科書」の役割を果たそうという挑戦者精神に圧倒される本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。