映画に感謝を捧ぐ! 「セッションズ」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はベン・リューイン監督の「セッションズ」に

 

 感謝を捧げようと思います。

 

詩人マーク・オブライエンの記事「On Seeing a Sex Surrogate」を

 もとにして作られた本作は

 社会性と官能性が過激に交錯する異色の実話系映画であります。

 エロティシズムとヒューマニズムが絶妙のバランスで配合された

 ストーリー&演出

 庶民的ムード漂う俳優・女優陣

 場違いなまでに情感のある音楽&挿入詩が一体となる光景は

 私に「性衝動」の持つエネルギー・ポルノと人情劇の平和的共存

 不幸の強調&主人公の美化を抑制することによる

 感動の純化&説得力の倍加を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (悲劇的でありながらもポジティブな幕切れが

 「万事解決のハッピー・エンド」からは得られない味わいと希望を

 もたらしている点も見逃せません。)

 まさに「官能系人情劇」の雄と呼ぶにふさわしい

 作品であるといえるでしょう。

 厳しい物理的制約によって広がっていく「精神的スケール感」と

 障害者問題において無視されがちな「問題」に

 正面から向き合う勇気に圧倒される本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。