映画に感謝を捧ぐ! 「Tommy/トミー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はケン・ラッセル監督の「Tommy/トミー」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 ザ・フーの同名ロック・オペラをもとにして作られた本作は

 ミュージカル映画史上最大級の「毒々しき熱気」を感じさせる作品であります。

 歌と映像をつなぎ合わせて「物語」に仕立て上げる手法

 陰鬱な状況を底抜けの明るさで写し出す技法

 「宗教」を軽快且つ意地悪にからかう精神

 主演男優R・ダルトリーのカリスマ的怪演が一体となる光景は

 私に「カラオケ用映像と純文学が混ざり合う」感覚と

 ひたすらに「我が道」を往く映画の醍醐味を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (凄まじい高揚感で「コンサートと宗教儀式が紙一重の存在である」事を暗示する

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「猛毒系ロック・ミュージカル映画」の雄と呼ぶにふさわしい

 怪作であると言えるでしょう。

 陽気な悪食趣味とMTV的映像&音楽の限りを尽くして

 人間社会を挑発する本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。