映画に感謝を捧ぐ! 「草原の輝き」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はエリア・カザン監督の「草原の輝き」に

 感謝を捧げようと思います。

 1928~29年のカンザス中西部で花開いた

 恋の行方を描いた本作は

 「時代の気配」が生んだ過激派恋愛映画であります。

 甘い青春映画の世界に生きる美男美女が

 「現実社会の暗部」によって変化していく姿と

 1960年代のアメリカ映画界に訪れた「変革期」が重なっていく光景は

 私に「王道的娯楽映画」がアメリカの未来を予見する現象に

 遭遇すると同時に

 「人生はハッピー・エンドと悲劇の二択ではない」事を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (題名の意味を静かに説き明かす幕切れが

 典型的ハッピー・エンドとは一味違う爽やかな味わいを生んでいる点も見逃せません。)

 まさに「陰性文学系恋愛映画」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。

  

 煌びやかな外見の裏に宿る「反抗の機運」が

 世代間の断絶・映画反抗期の到来・大人への通過儀礼を体現する本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。