映画に感謝を捧ぐ! 「ファミリー・ビジネス」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はシドニー・ルメット監督の「ファミリー・ビジネス」に
感謝を捧げようと思います。
ヴィンセント・パトリックの同名小説を彼自身の脚色によって
映画化した本作は
対称的な組み合わせがもたらす化学反応に驚かされる
異色の泥棒映画であります。
犯罪映画とホームドラマを融合させたストーリー・演出・キャラクターが
「社会派要素」を匂わせながら軽やかに進んでいく光景は
私に「ブラック・ユーモアと癒し要素の平和的共存」の一形態と
「泥棒」という生き様の魅力と恐ろしさを
説教臭を感じさせることなく表現する妙技を堪能する機会をもたらしました。
(追う者と追われる者の「奇妙な友情」に心打たれる幕切れが
人生の奥深さを体現している点も見逃せません。)
まさに「人情派泥棒映画」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。
庶民的ムード漂う泥棒一家が
人情と法律の複雑な関係をユーモラスにえぐり出す本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。