映画に感謝を捧ぐ! 「鬼ママを殺せ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はダニー・デビート監督・主演の「鬼ママを殺せ」に

 感謝を捧げようと思います。

 

  妻を憎む男と母を憎む男の出会いがもたらす

  珍騒動を描いた本作は

 1951年の映画「見知らぬ乗客」を

 大胆不敵に改造する事によって生を受けた珍作であります。

 サスペンス映画の王道に即した人間関係&トラブルに潜む

 「喜劇要素」を膨張させることによって

 一つの物語を生み出そうという試みは

 私に「残酷さと愚かしさは紙一重の存在である」事と

 「優れたアイデアは不満から生まれる」事を

 ドタバタ喜劇的に説く妙技を堪能する機会をもたらしました。

 (脳天気の極みでありながらも

 男たちの作家魂に心打たれる幕切れとなっている点も見逃せません。) 

 まさに「喜劇型作家論」と呼びたくなる一作であると言えるでしょう。

 ミステリー小説&映画への「特殊な愛」を糧にして

 シリアスとコミカルの境界線を破壊するかのように突き進む本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。