映画に感謝を捧ぐ! 「母の眠り」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はカール:フランクリン監督の「母の眠り」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 アナ・クィンドレンの同名小説をもとにして作られた本作は

 人情と不人情の間に立つ難病映画であります。

 喜劇要素・人間模様・スリル&サスペンスを

 バランス良く配合しながら

 病魔がもたらす「絆の崩壊と再生」を描くという手法は

 私に、サスペンス・ホラー・ホームドラマの技法を使い分けることによって

 「人生の光と闇」を写し出す妙技を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (全ての謎を解明することなく幕を閉じることによって

 想像力を刺激すると同時に「人生は黒白付けがたい存在である」事を

 写し出している点も見逃せません。)

 まさに「ホームドラマ系難病映画」史上屈指の冷静さと味わいを誇る

 作品であると言えるでしょう。

 説明台詞&感動誘発描写に抑制するクールな精神と

 優等生的ヒーロー&ヒロインを求めず

 「清濁合わせ持つ人間として描く」キャラクター造形が

 純度の高い感動を呼び起こす本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。