映画に感謝を捧ぐ! 「ノーウェイ・アップ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジェームズ・シール監督の「ノーウェイ・アップ」に
感謝を捧げようと思います。
深夜の駐車場でトラックに狙われた男の
運命を描いた本作は
限定された状況下で奮闘する姿に心打たれる
巻き込まれ映画であります。
「駐車場」の中で孤独な闘いを続ける主人公の姿と
自ら「厳しい空間・時間的制約」を課し
台詞による状況説明を最小限度にとどめることによって
物語の破綻を抑制し、緊張感を維持しようとするスタッフ陣の姿が
映画の中で重なっていく現象は
私に「自由を制限する」事の秘めたる効能と
「支配者と被支配者の逆転」を軽量娯楽映画的に表現する技法を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(回想シーンの多用によって「映像の単調化」を防いでいる点や
清々しいまでに「勝てば官軍」的な結末が
爽快感と苦味の入り交じった感覚をもたらしている点も見逃せません。)
まさに「空間限定型対決映画」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。
深夜の駐車場内でアクション・サスペンス
ホームドラマ・ホラー要素が交錯する本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。