映画に感謝を捧ぐ! 「ジェニファーズ・ボディ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はカリン・クサマ監督の「ジェニファーズ・ボディ」に
感謝を捧げようと思います。
女子高生ジェニファー&ニーディと
2人を取り巻く人々の運命を描いた本作は
下世話感と荒削り感がメッセージを放つホラー映画であります。
セックス・シーン風に表現された襲撃シーンの数々
ヒロインの怪物ぶりを前面に押し出す手法
強固なアイドルぶりによって「共食い状態」と化している主演女優2人の勇姿が
一体となる光景は
私に、性と暴力を結ぶ「見えざる絆」の存在と
登場人物の均整を保とうとすることによって
単純な物語が複雑怪奇化する現象を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(残酷な映像に穏やかな挿入曲を加えることによって
モンスターの凶暴さ&勧善懲悪の爽快感より「青春映画的ほろ苦さ」の強い
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「アイドル映画式青春モンスター映画」と呼びたくなる
怪作であるといえるでしょう。
女性上位主義・「悪魔」に対する豪快極まる解釈・お色気&残酷志向
諸悪の根源が放つ「安物感溢れる狂気」・存在感を抑圧された大人たちの姿を
バランス感覚の枠に囚われることなく詰め込むことによって
複数ジャンルを彷徨う「怪物」と化した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。