映画に感謝を捧ぐ! 「ハングリー・ラビット」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はロジャー・ドナルドソン監督の「ハングリー・ラビット」に
感謝を捧げようと思います。
犯罪者に私的制裁を加える「組織」に
翻弄される男の運命を描いた本作は
手軽さの中に学問性を秘めた軽量サスペンス映画であります。
巻き込まれ映画の方程式に沿って進行するストーリーを通じて
正義漢&犯罪被害がもたらす理性の劣化
危機による暴力&犯罪行為への順応
組織の「意義」を保ち続けることの難しさを世に示そうという試みは
私に「軽量映画の親近感」と「社会派映画の重厚さ」を
バランス良く共存させよう奮闘する人々の思いに
触れる機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドに冷や水を浴びせかける
変化球的な幕切れへと着地している点も見逃せません。)
まさに「教訓系娯楽映画」の一形態を示した作品であると言えるでしょう。
暇つぶし規模のスリル・サスペンス・ユーモアを保ちながら
正義論を語ることに挑んだ本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。