映画に感謝を捧ぐ! 「吸血鬼蘇る」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はルー・ランダース監督の「吸血鬼蘇る」に  感謝を捧げようと思います。  吸血鬼「アルマンド・テスラ」と  彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は  大胆さと堅実さが交錯する吸血鬼映画であります。  吸血鬼と狼男・モンスター映画と科学者  怪奇恐怖と戦争批判を組み合わせる大胆さと  残酷描写よりもお化け屋敷的な特撮・舞台的演技・怪しげな効果音&音楽で  恐怖を高めていく堅実さが一体となる光景は  私に「紳士的な怪奇恐怖」と「見世物的発想」の  平和的共存の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (「一言」で悲劇からコント的な笑いへと方向転換する  奇襲的な幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「西洋映画流怪奇歌舞伎」と呼びたくなる一品であると言えるでしょう。  悲劇の吸血鬼俳優V・ルゴシの放つ「妖気&威厳」と  1940年代の世界を覆う「戦争の恐怖」が  吸血鬼映画の王道を光り輝かせる本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。