映画に感謝を捧ぐ! 「キラーフィッシュ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアンソニー・M・ドーソン監督の「キラーフィッシュ」に
感謝を捧げようと思います。
鉱山を襲い、宝石を盗んだ強盗団と
彼らを取り巻く人々の運命を描いた本作は
便乗精神と見世物精神が嵐の如く荒れ狂う
イタリア&ブラジル映画であります。
泥棒・「ジョーズ」系動物パニック・災害・お色気を見せるための
口実に徹し続ける謙虚なストーリー
胡散臭さとサービス精神に溢れたキャラクター
省力感&作り物感満載の映像
妙に明るい挿入曲が一体となる光景は
私に「安定感溢れる危機の連打」を和やかに味わいつつ
「イタリア&ブラジル気質」・「1970年代映画文化」の一端と
見つめる機会をもたらしました。
(論理性を気にしない「どんでん返し」の果てに訪れるハッピー・エンドが
作品の持つ「無意識の喜劇性」をより鮮明化している点も見逃せません。)
まさに「幕の内弁当系娯楽アクション」界に輝く
珍品であると言えるでしょう。
「ジョーズ」・「ポセイドン・アドベンチャー」等が生んだ潮流を
最大限に活用する貪欲さと
出たとこ勝負的に物語を進めていく勇敢さが
「名作」と呼ばれる作品とは異なる味わいと親近感を放つ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。