映画に感謝を捧ぐ! 「三万両五十三次」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は木村恵吾監督の「三万両五十三次」に
感謝を捧げようと思います。
野村胡堂の同名小説をもとにして作られた本作は
単純明快差の中に「苦味」を秘めた時代劇映画であります。
「幕末」を犯罪映画&ドタバタ喜劇風味で描きながら
戦争が人間に与える「傷」の深さを
感じさせる作品にすることを可能にしたスタッフ・キャスト陣の技巧&精神力は
私に「喜劇・活劇・悲劇が混ざり合う」感覚と
戦いに生きる人間の「非情さ&空しさ」を目の当たりにする機会をもたらしました。
(西部劇を思わせるような映像の中に
「歴史の無情」を感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「アクション・コメディ式時代劇」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
剣豪でありながら「戦い」を否定する主人公の姿と
歌舞伎と映画の手法が程よく混ざり合った映像・演技・音楽によって
活劇の爽快感・人情劇の笑い・戦いの残酷さがせめぎあう世界を生んだ本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。