映画に感謝を捧ぐ! 「仁義なき戦い 広島死闘編」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回は深作欣二監督の「仁義なき戦い 広島死闘編」に

 感謝を捧げようと思います。

 

 飯干晃一の同名実話系小説をもとにして作られた

 人気シリーズの第2弾となる本作は

 1950~1955年の日本を暴力的に写し出した実話系映画であります。

 時代に翻弄される純情と

 歪曲された個人主義の台頭を象徴する二人の男

 下世話性と哲学性が共存する名台詞の数々

 前作を凌駕する「壮絶なる殺られ演技」

 強面俳優陣による「策謀とユーモアの融合」が一体となる光景は

 私に「悪は善よりも世界の理に近づき得る存在である」という法則と

 「歴史の裏側」をのぞき見る感覚と

 「男性的本能」に基づく娯楽的サービス精神が

 二人三脚で進んでいく姿を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (前作よりも「継続性」を意識した幕切れが

 本作の立場&映画界の変化を体現している点も見逃せません。)

 まさに凶暴にして哀しい「極道史劇」と呼びたくなる一作であると言えるでしょう。

 前作の主人公&敵将?を「脇役」として扱う大胆不適さと

 膨大なる熱気&人間に対する観察眼によって

 善悪の二元論を破壊し

 人間という動物&社会というジャングルの深淵に迫る

 キャラクター&ストーリー造形によって

 人間が「歴史」という大河を形成する一滴に過ぎないという

 メッセージが深まっていく姿に圧倒される本作と

 生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。