映画に感謝を捧ぐ! 「フィールド」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はトム・マッテラ&デビッド・マッツゥイニー監督の「フィールド」に
感謝を捧げようと思います。
1973年10月のペンシルベニアで発生した事件を
もとにして作られた本作は
残酷描写よりもムード作りへのこだわりを感じさせる
異色の実話系ホラー映画であります。
ホラー映画特有の「暴力&人体破壊」よりも
少年を取り巻く「大人の世界」をダーク・ファンタジー風に写し出す事に
重きを置くという試みは
私に「子供から見た大人」・「日常に浸透していく暴力の恐怖」を
ホラー的に表現する妙技に触れる機会をもたらしました。
(曖昧さの中に「暴力性の覚醒」を感じさせる幕切れが
説得力と不吉さを高めている点も見逃せません。)
まさに「陰性ホームドラマ系ホラー」屈指の実験作であると言えるでしょう。
舞台となる町の閉鎖性&殺伐とした人間模様が
モンスター以上の恐怖を感じさせる本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。