映画に感謝を捧ぐ! 「遊星よりの物体X」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はクリスチャン・ナイビー監督の「遊星よりの物体X」に
感謝を捧げようと思います。
ジョン・W・キャンベルの小説「影が行く」をもとにして
1951年に作られた本作は
監督よりも制作者の色に染まった作品世界が
娯楽的に「時代の空気」を体現するSF映画であります。
サスペンス&ホラーの技法・冷戦時代流アメリカ礼賛精神
1950年代の映画倫理事情が一体となったストーリー&演出は
私に1950年代のアメリカを覆う「武闘派精神&アメリカ信仰」の一端と
「空間限定映画と地球侵略SFの合体」を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(戦意高揚映画の香り漂う幕切れが
脳天気なハッピー・エンドに「不吉の影」を与えている点も見逃せません。)
まさに「SF式アメリカ論」の一形態を示した作品であると言えるでしょう。
1982年の映画「遊星からの物体X」の源流であると同時に
冷戦時代を覆う「外向的緊迫感」を象徴するSF映画でもある本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。