映画に感謝を捧ぐ! 「点と線(1958年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は小林恒夫監督の「点と線(1958年版)」に
感謝を捧げようと思います。
松本清張の同名小説をもとにして
1958年に作られた本作は
ゲーム感覚と人情が交錯するサスペンス映画であります。
政治風刺と愛憎劇がせめぎ合うストーリーを
技巧的映像表現・「心の声」の有効活用・上品なエロティシズム
段階的に「捜査陣」を脇役化する手法を駆使する事によって
説教臭を緩和し、娯楽的スリルに満ちた映画へと変化させる妙技は
私に「長尺の小説から娯楽的部分のみを抜き取る」事によって
知的遊戯と人間模様を兼ね備えた娯楽作を生み出す技と
観光旅行映画と犯罪映画のエッセンスを組み合わせることによって
「サスペンス系TVドラマ」の方程式が生成されていく現象を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(娯楽的爽快感に背を向けた冷徹な幕切れが
「犯罪捜査」の現実をえぐり出すと同時に
政治&経済界に対する「不信感」を示している点も見逃せません。)
まさに「和製犯罪捜査映画の教科書」と呼びたくなる一作であると言えるでしょう。
「反名探偵系推理作家の雄」松本清張作品と映像業界を結びつける「絆」を生んだ
歴史的作品である本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。