映画に感謝を捧ぐ! 「フローズン・アース」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はエミール・エドウィン・スミス監督の「フローズン・アース」に  感謝を捧げようと思います。 中東で発生した大寒波に巻き込まれた  人々の運命を描いた本作は  2004年の映画「デイ・アフター・トゥモロー」の流れを汲む  災害映画であります。  「中東に雪を降らせる」という奇抜なアイデア  映像的には「冬にありがちな光景」にしか見えない状況を  「地球滅亡の危機」として煽り立てるストーリー&宣伝  極限まで抑制された人間模様  安物感とコミカルさに溢れたCG映像が融合することによる  軽量映画的化学反応は  私に「和やかな気持ちで冒険を見守る」感覚  必要最小限度の情報以外は無視して  物語を進行させる潔さに触れる機会  映画的ハッタリの妙を楽しむ時間をもたらしました。  (清々しいまでに脱力感溢れる幕切れが  「自然災害をエンターテインメント化する」娯楽業界への  痛烈な皮肉となっている点も見逃せません。)  まさに「アサイラム流災害映画」の雄と呼びたくなる作品であると言えるでしょう。  「最大の盛り上がり所を冒頭に置く」知略と  「寒波」を通じて各種自然災害を集結させる貪欲さを兼ね備えた本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。