映画に感謝を捧ぐ! 「日本一のホラ吹き男」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は古澤憲吾監督の「日本一のホラ吹き男」に  感謝を捧げようと思います。  オリンピックを目指す大学生「初等(はじめひとし)」の  運命を描いた本作は  仏教の精神・サラリーマン社会・娯楽映画的職人技が交わることによって  生を受けた喜劇映画であります。  努力・戦術・ポジティブ精神の限りを尽くして  挫折を乗り越え「三段跳び出世」へと向かうという  サクセス・ストーリーの一形態を  ミュージカル・MTV・時代劇・コメディの手法を  融合させながら描くことによって  「説教&感動誘発臭」を感じさせない  軽妙なる喜劇へと進化させた  スタッフ・キャスト陣の技術&精神力は  私に「苦労」の気配を感じさせることなく  努力を積み重ねる男の輝き  「言葉の力」を娯楽的に表現する技法  浮世離れした世界に説得力を与える妙技を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (優れた「映画的ご都合主義」は  緻密な計算によって生まれることを暗示している点や  「脳天気なハッピー・エンド」でありながらも  過激さを感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに傍若無人でありながらも憎めない  「ジャンル融合型立身出世伝」の雄であると言えるでしょう。  有言実行・人生への愛情  壮大でありながらも庶民的な欲望  人目を気にせず突き進みながら、周りを幸せにしようとする精神によって   人生を切り開く男の姿が  笑いと感動を呼び起こす本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。