映画に感謝を捧ぐ! 「徳川セックス禁止令 色情大名」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は鈴木則文監督の「徳川セックス禁止令 色情大名」に  感謝を捧げようと思います。  将軍の娘を正室とする事になった大名と  彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は  日本の伝統文化とイタリア風味が融合した  異色の時代劇映画であります。  「圧政は劣等感の裏返し」・「本能を法で縛ることの難しさ」  「人間は極端方極端に走りやすい存在である」・「宗教と人間の複雑な関係」を  時代劇・ポルノ・ドタバタ喜劇の作法を融合させながら世に示すという荒業は  私に、「コミカルな設定をシリアスに表現する」妙技と  「娯楽性と社会性の平和的共存」の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (ブラック・ユーモア溢れる悲劇から鋭いメッセージを放つ  奇襲的な幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「和洋折衷系ポルノ時代劇」の雄と呼ぶにふさわしい  過激作であると言えるでしょう。  荒唐無稽な世界に現実感を与える技術力  制御装置なき権力&良識に対する危機意識  人間の原始的本能に忠誠を誓う精神によって生を受けた本作と   生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。